バスが停まりセーラー服のまだあどけない中学生達が降りてくるなり, 持っていたスポーツバッグを雨でビショビショの道に放り投げ「あっつーい!死ぬかと思ったぁー」と大騒ぎしている. 見ればバスの窓は真っ白に曇り, 湯気が立ちそうにムンッとしているのがわかる. 女の子達の濡れて束になった髪は顔に張り付き, 水が滴り落ちそうに黒く見える制服は重そうに強張っていた.
私が羽織っていた厚手ジャケットはホンワカ暖かくて丁度良いと思っていたのだが, その光景を見ていたら今日はそんなに気温は低くないのだと気付いた.
私の寒がりはすっかり定着してしまったようだ.
―骨盤にきく / 片山洋次郎著(文藝春秋)より抜粋―
十月ぐらいになると, 腎臓に熱がこもりやすくなります. -------この時期は頭にエネルギーが集中するというよりは, 急に涼しくなって膝が冷えて腰椎3番が硬くなり, 腎臓に熱がこもり, お腹が冷える(お腹に回るべき気の流れが頭へ向かう)ことによって, のぼせの症状になるのです. その時期が過ぎ, 十一月頃になると, 春とは反対に左側から骨盤が縮みはじめます. これから冬に移行するに当たって, 骨盤を縮めてお腹が冷えないように, 寒さに対処しようとする. 歳をとるほど一般的には骨盤は縮みにくくなるので, 「寒がり」になってゆきます. この本には他に, 人は骨盤底部が緊張を繰り返すサイクルの中で育つと, 他人の評価に敏感になり人間関係の距離感覚がつかめなくなるなど, 気力や性格に及ぼす影響, また季節ごとの身体の不調やそれらが病気にまで至る成り立ち等わかりやすく書かれている.
骨盤をゆるめ動きを良くしてやることは, 本来の自分の気持ちを知ったり, 集中力を発揮したり, 良い睡眠を得るために必要なようである.
また, 人によってどの腰椎を特に使うかでタイプが決まり, さらに圧縮系と発散系に分かれているという. この体癖(12種)の組み合わせで人との相性の良し悪しが決まったりする話もあり, まるで恋占いのようで面白い.
家には腰痛持ちもいることだし, そろそろ本気で自分の寒がりを改善させねばと本を読み返している.
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