2009年1月31日土曜日

無邪気



有刺鉄線に髪や服を引っ掛け, 身動きが取れなくなったとき.
雨上がりのぬかるみにはまり, 足が抜けなくて焦ったとき.
一本道でウゥゥと唸る犬に遭遇し, 危機一髪のとき.

その度に, いつもためらうことなく叫んできた "たすけてぇー" と.
小人世界の緊急事態時に使われる言葉 "たすけてぇー"

大人になってから一度も口にしてない懐かしい言葉だった.
  [テレビ放映された映画を観ていて, 印象的だった言葉]



2009年1月28日水曜日

待ち伏せ猫の名前

こんな寒い夕暮れなのに待ち伏せていた. マンホールのふたの上で.
人が歩くと誘導するように一緒に歩く.


林の道は通学路になっている. ツルツルしたランドセルを背負った男の子が前からやって来て, 猫を撫でながら "あのね, この猫ゴンちゃんって言うんだよ. ゴン太って名前" と教えてくれた.

ゴン太? 変な名前だねー.
キミの持ってるソレ, 何だろう?


ゆっくり歩くと道路までついて来ちゃうらしい. 一所懸命に猫を引き止めてくれるのはいいけれど, こっちじゃなくキミが帰る方へ向った方がいいのに.


2009年1月27日火曜日

暗記

寿限無(じゅげむ), 寿限無, 五劫(ごこう)の擦り切れ,
海砂利水魚(かいじゃりすいぎょ), 水行末(すいぎょうまつ),
雲来末(うんらいまつ), 風来末(ふうらいまつ),
食う寝る所に住む所, 薮ら柑子(やぶらこうじ)の ぶら柑子,
パイポ, パイポ, パイポの シューリンガン,
シューリンガンの グーリンダイ,
グーリンダイの ポンポコピーの ポンポコナーの
長久命(ちょうきゅうめい)の 長助(ちょうすけ).


呪文のように言葉を繰り返すのは楽しい. 寿限無は落語の前座噺である. 子供時代に何度も唱えてたのに, 途中をすっかり忘れてしまっていた.

こっちもどう頑張ったって15~16行止まり, あとはテンポとリズムが思い出せただけ.
聞きなれない言葉がやっぱり面白い.


2009年1月24日土曜日

尿素

どんよりした天気に空気も冷えていたので予定を変更し, きょうは家で美肌水を作ることにした. 美肌水とは皮膚科の医師が治療用に考案した, アトピー性皮膚炎や乾皮症などの保湿効果を高める"尿素グリセリン水溶液"のこと. 私は皮膚が弱い方ではないのに市販品のどれも合わず, 10年前からはずっとこれ一筋で肌の状態は安定している. 湿疹やニキビ傷などにも使っているが, 治りも早いように思う.


尿素は今でこそハンドクリームには欠かせないものになっているが, 私が初めて尿素の威力を知ったのは, 両手指が強張って曲げられないほどの湿疹と乾燥に苦しんだ30年も前. 当時まだ"興和"の製品しかなかった頃だ. 瞬時に潤いが浸透するのがありがたかった.

尿素は園芸品売り場などで一袋200円ぐらいで手に入り, それ一つで何年分にもなる. グリセリンも薬局で500ml入り800円程度, 入れなくても大丈夫なくらいなので少量サイズがあればそれで十分. ということで, 化粧水にかける金額は一年で10円にもならない点も素晴らしい.

[原液] 尿素:50g 水道水(防腐作用がある):200ml グリセリン:小1 
かき混ぜてしばらく放置しておくと自然に溶ける. 使う分はスプレー式の小さい容器に, 原液に対して2倍~10倍位に水道水で希釈する. 肌につけてピリつかないのが目安.
私の場合は, 原液を作る時にグリセリン数滴(多いとべたつく), 希釈は5倍程度. 原液も化粧水用として薄めたものも冷蔵庫で保存し, 原液は半年ぐらいで使い切ればよい.


2009年1月22日木曜日

その日はチュイチュイが口癖になった

我が家は雑木林と畑に囲まれている. たぶん築50年近いのではなかろうか.
最近になって, 奥地の開かずの押入れから物音がするようになった. 家族全員がその音を確認し, ある日に"チュ"と言う鳴き声も聞き, そしてとうとう姿も見てしまった. それでゴキブリホイホイに引っ掛かった話を聞いたので, さっそく薬局へ行ったのだが, 季節はずれなのか殺虫効果のあるエサしか置いてない. ネズミホイホイなら3種類もあり, "強力" "足で踏んでもOK" "ネズミを見ずにポイ"の文字が恐ろしげに手招きしていた. 仕方なく一番安いのを求め, ネズミを見かけた部屋の角に設置した. 仕掛けて半日もしないうちに, しかも真昼間に突然"チュイーーッ!"どたばたどたばた…. 左半身がペタッと引っ付く形で捕らえられていた.


大急ぎで裏の林の奥まで行き, 息子が "先ず顔から救おう" と枯れ枝を使って剥がした所で, 私が別の枯れ枝を口に噛ませ暴れるのを固定した. この作戦はとても上手くいった. あまり時間をかけずに救い出すことに目出度く成功. ペタペタが足に少しついているので枯れ葉まみれになっていたが, まあ何とかなるだろう. バイバイ, もう家には来ないでおくれね. ピョンピョン跳ねては草にもぐるを繰り返しながら遠ざかって行くのを, 私達はボーッと見送った.

仲間に入れますか?  いいえ.  
モンスターは嬉しそうに野原へ帰って行きました.  (ドラクエが頭をよぎったのだっだ)


2009年1月20日火曜日

Exhibition of handmade bicycle in 2009

17日(土)に日比谷と科学技術館へ行った話のつづき.
朝9時過ぎの日比谷公園噴水前. 後ろにいるのは, のんびりついて来てくれたGullくん. 先に来ていた相方が携帯カメラを持って待ち構えていた. 光のシャワーだ!


午前中"テオ・ヤンセン展"で遊んだあと, ハンドメイドバイシクルフェアが開催されている科学技術館へと移動. 皇居のお堀をぐるっと回り最後の上り坂がやっぱり何気にきつかった.
正午に待ち合わせた2人と合流. それぞれの自転車を乗りっこしてから展示会場へ. 内容は別ブログ"a bicycle trip".

オマケ:外の駐輪している自転車を見るのがもう一つの楽しみ. どれもスタンドが付いていないので, 停め方も個性的.


2009年1月19日月曜日

テオ・ヤンセンとハンドメイドバイシクルフェア

17日の土曜日に朝早くから日比谷公園で待ち合わせ, 先ずは日比谷パティオで"テオ・ヤンセン展"を見た. そのあと"2009ハンドメイドバイシクルフェア"へ行ったのだけれど, その話はまた後ほど.


テオ・ヤンセン展が丁度ハンドメイドバイシクルフェアと重なったので, それなら見てしまおうとついでを決め込んだのだが, まさかテオ・ヤンセン本人のレクチャーが受けられるとは思ってもみなかった. 初日だもの当然な話ではあるが…

自分で動かす体験だけでなく, 展示の目玉である巨大な"strandbeest" ( オランダ語で - Animaris Modularius -砂浜の生物) がカニのように横歩きするのを, 追いかけられたり追いかけたりして間近で見られたのはとてもラッキーだった.
エア・コンプレッサーでの動体展示が17日・18日だけのスペシャルイベントだったなんて, お年玉を貰ったような気分!
ペットボトルに貯めた風を動力源に, ワシャワシャカシャカシャと動く様は正に生き物.
実はもっと疎外された精密な機械をイメージしていたのだけれど, プラスチック管を手で加工し紐やタイラップ(結束バンド)で締めた単純な技術, 常に形にするのを優先してきたような手作りとローコストに親近感を覚え更に嬉しくなった.

終了後に相方は構造について聞いていたが, 通訳を介してのやりとりでも間に技術を挟んでいるので理解は早い. 私は聞き耳を立てながらキネティック・アーティストの人となりを観察していたら "満足してもらえたかな?"―という風に―微笑みかけられ, 早起きして自転車を漕いだ甲斐があったのだった. シャフトだの何だの解さなくとも, 筋肉と関節について"ふふーん"とインスピレーションを得, 勇気と元気も充電できた.

テオ・ヤンセン展 
STRANDBEEST - Theo Jansen


2009年1月14日水曜日

黙々と

午後の公園内で, ほぼ同時に起きていたこと.



珍しくゴイサギ! むっくり大きい胴体に細長い脚 / 見つめていたらのっそり移動し始めた


空腹の猫は積極的 / 忘却のハンガー


くすくす笑いながら鴨ににじり寄る少年達 / 陽が当たる場所に寒桜か

水循環機の発電システムの上を静かに横切って行く飛行機雲

ああ, そして私は鉄棒で逆上がりを3回とも失敗しショックを受けていた. 5年前には辛うじてできたものの, あの時の腹部への圧迫と衝撃は想像以上だった.


2009年1月12日月曜日

憧れと尊敬

深夜に, 大正4年(1915)生まれの現役理容師のドキュメンタリー番組を観た.
その老女は背骨が曲がり背が低くなってしまったので, 客の髪をカットする間ずっと両腕を自分の頭より高く上げていなければならなかった. 手を見ただけでは年齢がわからない艶やかな皮膚と, 達者な指さばき.


終戦直後に夫を亡くし, 娘二人を自分の腕一本で育て独立させた.
この線路高架下に構えた小さな城を離れる気はなく, ここで生涯を終えたいと願っている. しかし年金では暮らせないから今も働く. 寂しさが身に堪えるようになってきたと言うが悲壮感はなく, 凛と仕事をこなしすっきりと笑ってみせる. 薬は欠かせない身体でも, 客を前にするとしゃきっと背筋が伸び指先に力がみなぎる. 常連で一番のうるさ型と, 女性の産毛剃りができなくなったら引退するしかないねと言う93歳にはそうそう出会えない. 早くに亡くなった次女の形見の鋏で仕上げをするのがこだわりだ. 緊張感のある, 鋏を持つ指が眩しい.


2009年1月8日木曜日

花筐

柴又帝釈天へぶらっと初詣にでかけた.
参道沿いの古道具屋で買った大正時代の判子は二百円也.
"はなかご" "はながたみ" "かきょう" という読み方があるらしい. 一文字10mm程かそれ以下の繊細な文字を, ひとつひとつ人の手が彫っていたのかと感心してしまった.



2009年1月7日水曜日

自転車ブログ

ママチャリでない自転車をこの歳で持ったのだから, これからもゆるく長く付き合っていけるよう, 別ブログ"a bicycle trip"を公開した.
これまでは磨くことしかできない乗る専門だったが, 今にパンク修理をホイホイこなし, 単独でも長距離を行けるようになるに違いない, という自分への期待も込められている. 

この3日間はhtmlのナンタラかも知らない頭を, "こう見せたい" というイメージだけを頼りに, へとへとになりながらもフル回転させていた.
まだエントリーは1つだけれど, どうにかこうにか形にはなった. 更新も, ゆるく長く続けられたらいいなと思っている.



2009年1月2日金曜日

2009

謹賀新年