2012年5月31日木曜日

初心に帰る

1985年, 我が家にはテレビと電話機に掃除機も無かった. 必要ない物は要らないというのが大きな理由だけれど, 金銭的余裕がなかったのも本当のこと.
そのおかげで実にシンプルな生活に恵まれた時期ではあった.
掃除はどうやっていたのかと言えば, 昔はどの家にもあった長柄の箒でしていた.


ショートニング断ちをしようとスーパー・マーケットなどのパンを買わないと決めて2ヶ月になるが, その時にもう一つ始めたのが機械を使わないで掃除をすること. 取り合えずこの小さい奴で実行するしかなかったが.
心穏やかに無になって掃いていると, 案外ホコリは舞い上がらないことを発見した. 掃き集められたゴミを眼で確認するのはとても愉快なことだった.
しかし, チビ箒でいつまでも這いつくばっているわけにはいかない.
今さら超高性能フィルター装備に魅力が感じられないのだから”いっそ, 箒にするしかあるまい”と, やっと覚悟が決まる.


あらゆる物が置かれた狭い部屋には, 取り合えず小回りの利く短柄の箒がいいと.
大切に使えば一生物と聞いてちょっと奮発し, 中ランクではあるが極上の掃き心地と軽さに頬が緩む.



行く行くは物をとことん減らし, 長柄の美しい箒で四角い部屋を四角く掃く

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