バザーか何かで手に入れた, S30年(1955年) 婦人雑誌の付録【手芸一切の独習書】
-B5版 318ページ-
小さいがたっぷり分厚いこの一冊に, 染物・織物・編み物・縫い物の, 必要な手芸一切の基礎が丁寧に紹介されている. じっくり読んでいると何でもできる気になってくる. 自分で作れないものはなく, 作れないものを欲しがったとしたらそれを贅沢と言うのだね.
これは1970年代の装苑の巻末に載っていた製図
たいして作りもしないのに, ひとつひとつ記憶するように見入っていたものである. 自分が着るにはこっちの衿にして, ポケットは少し下げようとか, 何色のどんな布地ならいいだとか, 脳内シミュレーションするのが昔からの癖だった. 見ての通り服の見本画は手描きである. 中には展開図や説明文まで手がけているものもある. 服に合わせた雰囲気とデザインが良くわかるポーズが優先され, 嘘がないのが大事.
1980年代になると原型の女性の姿も現代風になり, 服の見本も写真に変わった.
モノクロ写真ということもあるが, のっぺりとして見たいものが隠れてしまい, 確認に戻ってカラーページを何度も繰ることになった. それはそれでいいのだけれど…
そして, これはコンビニがない時代.
まだコピーが一般でなかった頃は, 欲しいものはとにかく自力で写すしかなく, 昼間のうちに窓ガラスに透かせて上に紙をあてなぞったり, 一から書き写すためにガイド用の小さな原型まで作ったりした. 苦労した分満足度は高く, 次はコレその次は…と, 途中からすっかり目的が変わってしまったノートが2冊ある.
右の, 服に身体を合わせて着る折り紙みたいなデザインも好き.
難易度は低いがコツはいる. ニットで作れば着易いかもしれない.
装苑から製図が消えたのはいつ頃だっただろう.
毎日1ヶ月かけて一冊を読み, 次の号が出るとまたそうやって過ごす. 小さな文字も広告まで覚えてしまう. 家に何冊あるのか数えたことはないけれど, どれもボッロボロだ. 80年代のなんてホチキス止めだったから, バラバラになってしまった.
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