五十肩って”肩こりの親分”みたいなものだと思っていたし, 常に他人事で冷やかし気分だった.
ところがいざ自分の身に起きてみると「こんなに大変なんて聞いてないよー」とつい愚痴がこぼれるのが五十肩であった. (60歳以上でも五十肩, 40歳では遠慮して四十肩と呼ぶ)
ひょっとして原因はウイルスなの?流行ってるの?と思ったほど, 昨年は行く先々に五十肩の人たちがいて笑えた.
極めつけは整形外科の医師だ.
彼は「私も今そうです. しかしあなたは重症ですね~」と憎らしげに腕を上下してみせた.
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右腕を時計回りにひねると二の腕が少し痛むようになったのは昨年6月ごろ.
そのまま夏が過ぎ, 秋になるころには過激な動き(G退治など)をした時に”痛ーー”と腕を抱えること数秒間がプラスされはしたが, 腕はまだ耳の脇まで持ち上げることが出来ていた. ここまでで約半年が経過.
11月に入り突然肩の高さまでしか腕が上がらなくなった.
そして週ごとに腕はどんどん下がっていき, 4週間目には腿から15度の角度までになった(まるでペンギンだ).
この段階になって初めて病院へ行く. ろれつが回るか首の異常はないかなどのチェックと, レントゲン写真の様子から「肩関節包囲炎」つまり五十肩ですね との診断を(予想通り)もらう.
(注:3方向からのレントゲン撮影は無理なポーズをとらされるので, 受診するなら軽症の内に!)
ストレッチ方法とヒアルロン酸注射のパンフレットを渡され「放っておいても1年もすれば自然に治るものなんです」と診察室を追い出された.
注射の効果は一時しのぎと知ってか押し売りされることはなかったが, もう少しアドバイスをくれるとかないのだろうか…
コメント欄で教えていただいた”おじさん入門 夏目房之介著”には, 運動しているかどうかは関係なく, なる時にはなるとあった. ヘンな痛みを感じ始めてから半年後に悪化した話も, 私とまるでいっしょでちょっとホッとしたのだった.
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では, ”五十肩の具体的な可動制限について”
・伸びができない. 何かを取ろうと腕を伸ばした途端, 肩を抱え唸りながら激痛に耐えることになる.
・後方へ全く腕を引けないので背中のホックを止めるどころか, (前開きの)服を着るのに難儀する.
(Tシャツ・セーター等の被るタイプの方が何とかなる)
・下げたパンツを引き上げられない.
・頭頂部に手が届かない. 右手が左肩に届かない.
・リュックが背負えない.
・肩から肘手首にかけて疼痛に襲われることがある.
・常にかばい, 力を入れないよう行動していると胃腸が働かなくなり, 段々憂鬱気味になる.
・一番の難所は布団の中, どの体勢でも肩が痛むので休まらない.
(クッションを積み上げて, 寄りかかって寝ると多少は楽)
西洋医学とは別の角度からの興味深い話.
「整体から見る 気と身体 片山洋次郎著」の老化の章で, 老化とは”本当は時間的な経過に対して体が楽になっていくような適応の仕方”とある.
{整体から見る 気と身体 / 四十肩・五十肩は血管系を守る選択―より引用}
四十肩・五十肩は胸椎2番がねじれているんです。そこは血管系に関係あると考えていいのです。心臓とか脳とかの―心臓の場合は血管以外の部分の病変もありますけど―主に血管の病気ですね。
血管が老化していくことの中枢の位置をかなり占めていて、ある時期に硬化しやすい方向に行くか、それとも弾力を保つ方向にいくかの分かれ道のようなところがあって、その時に胸椎2番がねじれないままでいると、どんどん硬くなってしまう、うまくいくと弾力を保った状態でいられる。うまくねじれて肩関節のほうにしわ寄せがいってくれると、確かに胸椎2番が硬くならない。そのあと肩が治って元に戻ったときに、真っ直ぐのいい位置で弾力がある状態に戻ることができる。つまり、肩という一部分にしわ寄せはいきますが、老化によって体のバランスが変わっていく時期に、うまく血管系― 一番大事な部分を守るという一つの体の選択なんだろうと思います。
老化の節目=変動期に無理をしないでうまく体を休めることが、一番の対策です。
四十肩・五十肩の場合、肘の内側のところが冷えて、形の上では肘の内側から二の腕の内側のあたりが力が抜けてしまって、うまく力が入らない状態になっているんですね。そこのところに無理がきて、肩にどんどん凝りが出てきてしまうんですけど、それを何とか動くような状態にしようとして、無理をすると、よけいに痛くなったりするときがあるんです。もう一つは、いずれ必ず治るものであるのを、もし無理に治してしまうと胸椎2番が硬くなってしまう、最終的には悪いことになってしまうんですね。
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痛みがあればなくしたいと思うのが普通である. それを逆らわず(逆らいようがないが)受け入れるというのは言うほど簡単じゃない.
せめて上手に痛みをコントロールできればと思うが, はてさてどの程度までしていいものやら加減が難しそう.
「誰でもできるトリカ゛ーホ゜イントの探し方・治し方 By Clair Davies, Amber Davies」は, 西洋と東洋の中間的な位置に当たるのだろうか….
これもまた違う角度からのアプローチが興味深い.
五十肩は肩から二の腕・肘辺り(下の画像:正面を向いた腕の斜線部分)が痛むのだが, そのトリガーとなるポイントは4つの回旋筋全てにあり, ゴムボールを壁に挟んで背中(痛む場所にトリガーポイントがあるとは限らない)をグーッと押し付けていると探すことが出来る.
実は昨年6月から右を追うように左腕も変だったのだけれど, 幸い悪化は免れている.
そこで左右の肩甲骨付近のポイントを探ってみれば, 右側の酷さは明らかなのだった.
とりあえず心強い味方として, 一日をそこそこ幸せに過ごせる程度に取り入れて4週間が過ぎた.
腕は横へ70度の高さで止まっている. 相変わらず毎日痛むし眠るのも大変だけれど, 気持ちの上ではだいぶ攻略できた気がする.
悪化した11月から, もうすぐ3ヶ月.
私の場合の一年はどこからどこまでを言うのか知りたいところだが, 夏前には解放されていたいものだ.
2014年1月17日金曜日
不機嫌な角度/五十肩の話
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身体に痛いところがあるというストレスは、気力を奪いますね。
返信削除私は乳がん後のホルモン治療で関節痛がひどく、寝返りするたび目が覚める、
どういう姿勢で寝れば痛くないのか訳わからん状態で、恥ずかしながら
5年のホルモン治療を3年でギブアップしちゃいました。^^;
寿命が縮んだかも知れないけど、痛みから解放された満足感が勝っているので
これでいいと思ってます。
チムリクさんも、早く痛みから解放されますように。
若い頃は心の痛むことの連続で, 人生の様々な痛みを知ったつもりでいたけれど
削除ハハハ, メインステージはこれからと思い知る更年期.
”急がば回れ” 近道を夢中で探していた日々は遥か昔に,
もう急ぐ必要がなくなってからの私達には, あえて逆の
”回りたければ急げ” と試しに言ってみる.
その場合の”急げ”の解釈は, ”ガンバラナイ””休む””止める” などだろう^^
何よりも強力な方法は, 数をカウントしないこと.
それは他人との比較, 統計の呪い, そして自我からの解放につながるから. そうやって”回って”いたら, 最初の予定よりずっと遠くまで行けるような気がします.
人から共感が得られると実際に楽になるんですよね.
とらうまさん, どうもありがとう~♪