2010年2月16日火曜日

パンソリ

韓国映画「祝祭」(1996年 監督:イム・グォンテク)は, 親が子へと命を渡していくという童話『翁草は春を数える花』を劇中劇として挟みつつ, 様々な人間模様を描きながら3日かけて死者を送り出す葬儀の話.

死者が空けた穴から浮上した愛憎は, 残った者達によって清算され埋め直される.
それにはそれ相応の形式と, 共有する時間と場が必要である.
葬式という題目の即興劇に全員が演者となることで, 死の意味とこれからも生きていく糧が平等に振る舞われるのだ.

伝統的な儀式は興味深く, どこか懐かしい景色と生成り色の喪服がとても美しい.


話の中で一族に除け者扱いされている女が酒に酔って「七甲山(チルガプサン)」を歌う場面があるのだが, その声の艶っぽさと胸に迫る歌の上手さは圧倒的で, 初めて正統な演歌の真髄に触れ陶酔している自分にビックリしてしまったという ここからが本題.
その女優がオ・ジョンヘという人で, この映画から3年前の同監督作品「風の丘を越えて-西便制」でパンソリというものを披露しているのを知った.


パンソリとは民間の説話を下地に脚色し小説に仕立て, 語り歌い演じるものらしい.
当時20歳そこそこだったと思われる彼女はパンソリの名手だそうで, 幼さの残る表情が歌の"恨"と絡み合い思わず引き込まれる.


風の丘を越えて-西便制(1993年 監督:イム・グォンテク)
血の繋がらない姉弟が数十年後に再会を果たし, 韓国伝統の口承芸能パンソリ 『沈清歌』 を歌うシーン.
(失明したが故にパンソリを極めた姉が痛ましい.  弟の方が老けて見えるのは置いといて…)

言葉がわからなくとも, ストーリーを知らなくとも感動する.



0 件のコメント:

コメントを投稿